松山支部

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第376回松温会12月例会開催報告

更新日:2016年12月20日

平成28年12月15日(木)12:00から、いよてつ会館3階ロビンルームにて、第376回松温会12月例会が開催されました。初めに秋川啓人松温会会から、今年最後の松温会参加の皆様へのお礼と新年に開催される女子駅伝部祝勝会や松温会特別例会の案内がされました。

今年最後の松温会ゲストスピーカーは、南海放送報道制作局チーフマネージャー・RNBコーポレーション取締役の 永野彰子さん(大学37回卒)による「今ラジオが面白い」と題した卓話をして頂きました。

「今ラジオがおもしろい!」永野彰子さん

1988年に松山商科大学経営学部を卒業後、南海放送放送部に入社
2013年ラジオ局次長・業務部部長 
2014年編成局次長広報視聴者センター部長・番組審議会事務局・24時間テレビ事務局・考査担当・アナウンス室
(「考査」とは・・放送上必要な事で、通信販売の番組やコマーシャルなどで法律違反の表現はないか、すべての番組の確認をする担当をされていたそうです。)
2016年報道制作局メディア情報センターチーフマネージャー・RNBコーポレーション取締役
現在はラジオ番組夕方の「ニュースな時間」(月~木)16:00~18:45を担当されています。

月曜日に放送されています作家・タレントの室井佑月さんが生で出られている「室井佑月のニュースな課外授業」のコーナーが話題になっていて、室井さんは、息子さんの学校の都合で、松山に週の半分は松山に在住されているそうです。道後温泉やおひさま市など市内等で会えるかもしれません。

~ラジオ激動の3年~
2014年12月1日に南海放送ラジオはこれまでAMラジオのみでしたが、FM放送もできるようになりました。
FM補完局ということで、スタートしました。AMでの電波とFMでの電波は周波数が違います。
(なぜFMの電波を持つことができたかというと、その前にテレビのアナログからデジタル移行があり、移行再編する中で、電波の余った帯域ができたので、そこをFMとして使おうと国の方針で決まりました。)
放送局からすると、AMがあるのにFMを持つのは、大きな投資が必要になるし、機材も違ってきます。何故消えゆくメディアのラジオにお金を投資するのかというのがほとんどの放送局でした。

南海放送は先進的で、テレビを持っていて、ラジオも持っていることが、他の放送局にはない強みです。ラジオはこれからどう化けるが分からないのでラジオに先行投資をしていこうと決めました。割り当てられた周波数は、91.7Mhzで、今普通に使われているラジオでは90Mhzまでなので聴けないのです。聴けない帯域での放送をするのかと批判のお声を沢山いただいたりしたのですが、全国的にAM・FM両方をもつ放送局が増えてきています。今後FMに移行する可能性もあるので、業者に掛け合って、ワイドFMという広い周波数で聞けるラジオが増えてきています。

AMラジオは、南海放送サンパークの鉄塔がありますように、設備が大がかりになってしまいます。広い土地が必要になり河川敷や海の近くしかどこの放送局もとれていません。災害があったらすぐに被災してしまいます。FMはコンパクトな機材で電波を流すことができます。国も災害に強いFM補完局を増やしていこうとなりました。

~コンテンツの再構築~
FMを始めるけれど、聴く人はいるのかということになりました。これまでどの放送局も聴く人が少なくなっていて、コマーシャル、スポンサーもどんどんつかなくなってきています。でも放送は24時間流さなくてはいけません。ラジオはコスト削減をしていこうと全国的な流れになってきていました。2013年頃までは、南海放送のみで番組を作るのはコストがかかるので四国4局でまとめて同じ番組を流そうという方向でした。
そうなってくると質が悪くなってきてどんどん聴かなくなってしまう悪い循環にはまってしまいました。これではいけない。聴かれるラジオにしていかなければならないと、南海放送は普段から聴いてもらえるラジオにしようと、投資をする事にしました。誰がラジオを聴いているか・・・全国的に調査をしましたら、50歳以上の方が聴いていて、10代の方はゼロに近い状況でした。南海放送は、FMのスタートを機に再編をしました。FMは、音がとても良いので、音楽やライブ、コンサート、スポーツを中心にしました。あともう一つは南海放送の強みであるニュースです。音楽とニュースを中心にプログラムを大きく変えました。これまでのラジオは、ベテランの語り手がトークで引きつけていました。皆さんから頂いたはがきやメールでやりとりを楽しむ話が中心でした。現在は、聴かない人達に訴求できるものは何だろうかと考えまして、午前中は情報と音楽。お昼は、音楽。夕方は、南海放送報道部のニュースを出そうという事で、無駄なしゃべりはぜず、音楽、ニュース、情報の3本でやっていくことになりました。ターゲットは、20代30代と決め、日中、演歌はかけないと徹底しております。演歌は夜か日曜日のみとなっています。

~ネットは脅威か~
もうひとつ新しい方向として、「ラジコ」というスマホのアプリがあります。
これをダウンロードして、スマホでラジオを聴いてもらうという事です。今新しい取り組みとして、過去一週間前のラジオが無料で聴ける(タイムフリー)を試みています。
この番組おもしろいよという事をシェアしてもらうシステムを作りました。今の若い人はテレビもあまり観ません。
話題は、ネットやSNSです。ラジオもいち早く実証実験するようにいたしました。テレビは、著作権などの問題があって出来ないものがありますが、ラジオは身軽です。実際にどのように数字になって出てきているのかというと、上がっているとは言えませんが、下げ止まりにはなりました。

「これからが我々の大きな勝負だと思っています。」
ぜひ皆様、スマホのアプリ「ラジコ」をダウンロードして頂き、ぜひ聴いてください。

卓話終了後、初参加の植丸耕治氏(大学38)、長井弘幸氏(大学42)に自己紹介をして頂き、閉会しました。

 

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