宇佐美まこと著 新刊『その時鐘は鳴り響く』10月31日発売

更新日:2024年10月22日

カテゴリ:温山会トピックス

       本学の卒業生である宇佐美まこと氏(大学29回卒・旧姓池田)著、松山大学を舞台にした

       「その時鐘は鳴り響く」(東京創元社)のご紹介をいたします。

 

〈あらすじ〉
東京・赤羽の路上で資産家が殺害された。赤羽署初の女性刑事・黒光亜樹は、本庁から来た癖の強い先輩刑事とコンビを組まされ、彼と対立しながらも懸命に捜査を続けるが、なかなか容疑者は浮かんでこない。同じ頃、松山大学マンドリンクラブのOG・国見冴子は、仲間二人と母校の取り壊し予定の部室棟を訪れていた。すると部室の黒板に、三十年前に失踪したクラブのメンバー・高木圭一郎が最近書き残したと思しき「その時鐘は鳴り響く」を見つけて驚く。それは四年生の夏合宿で事故死した篠塚瞳を含め、五人の間で頻繁に言い交わしていた言葉だった。瞳の死後に失踪した高木は、なぜ今になって部室を訪れ、この言葉を残したのか? 冴子たちは当時の事故について調べ始めるが……。

〈宇佐美まことさんが「その時鐘は鳴り響く」に込めた思い〉
私は昭和55年(1980年)に当時の松山商科大学を卒業しました。そして2007年に「宇佐美まこと」という
ペンネームで小説家デビューしました。20017年に日本推理作家協会賞を受賞した際には、温山会から表彰
していただきました。その後も地道に書き続け、ホラーからミステリー、社会問題や歴史に材を取ったもの
など、次々と作品を刊行させていただいております。
 そしてこのたび、松山大学を舞台にしたミステリーを東京創元社さんから刊行する運びとなりました。
デビュー作から数えて24作目になります。ずっと母校を題材にした作品を書きたいと思っていたのですが、
これほど時間が経ってしまいました。私は学生時代、マンドリン俱楽部に在籍しておりました。残念ながら
現役のクラブはなくなってしまったのですが、皆で練習に励んだ四年間は貴重で、今もなお、色あせること
はありません。この経験をもとに、ミステリーを書いてみよう。きっと面白いものが書けると思ったのは、
これほど時間が経ってからでした。
 作中には、何十年も前の大学の様子が出てきます。中庭の噴水、階段教室、北門のそばの大クスノキ
(この木の下に、マンドリン俱楽部のバラックの部室が建っていたのです)、夏合宿、城北地区の情景など、
同窓生の皆さんにとっても懐かしい描写が出てくると思います。タイトルは「その時鐘は鳴り響く」です。
どうか読んでみてください。純粋にひとつのミステリーとしても楽しんでいただけると思います。

〈担当編集者オススメコメント〉
『愚者の毒』が日本推理作家協会賞を受賞し、『展望塔のラプンツェル』が山本周五郎賞候補に、『ボニン浄土』が大藪春彦賞候補にノミネートと、要注目の作家・宇佐美まことさんが新境地を切り開く、傑作ミステリです。二つの事件が徐々に繋がっていく展開と、意外な犯人と真相には驚くこと間違いなし。宇佐美作品としては初の本格的な警察小説として楽しめるほか、二度と戻らない青春のきらめきと郷愁や、後悔や悲しみに満ちた過去からの再生を描く人間ドラマも、読み応え抜群です。どうぞお見逃しなく!

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