松山支部
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第435回 松温会3月例会開催報告
令和6年3月13日(水)12:00より、道後友輪荘 2階 友輪の間にて、第435回松温会3月例会が37名の出席者のもと開催されました。まず、今井俊朗松温会会長から「今回は虫明焼窯元の黒井博史さん(大47)に、『虫明焼と私の作品』という演題でお話をしていただきます。虫明焼は江戸時代から技法が受け継がれている焼き物で、岡山県の風光明媚な虫明湾に窯元があり、黒井さんはその伝統を承継されています」とご挨拶がありました。
昼食後、黒井さんから「私は松山大学経済学部を1998年に卒業しました。在学中は研究論文に取り組んでおり、愛媛新聞社120周年記念の論文募集に応募し佳作をいただいたことがあります。それがきっかけで元温山会会長の今井琉璃男さんとのご縁をいただき、手紙のやり取りなどをさせていただきましたが、当時の温山会報の「巻頭言」に私の論文が佳作に入ったことを載せていただき大変嬉しく思ったことを覚えています。卒業後は岡山県の山陽放送で6年間勤務の後、京都で2年間陶芸の勉強をし2006年に父である黒井千左のもとで作陶に入りました。虫明焼は岡山藩池田家の筆頭家老であった伊木忠澄が京都の名工の指導を受け御庭焼として焼かせたのが始まりで、茶道具を中心に作陶していたため茶道界ではよく知られています。土は山土を使いますが、乾燥させた後、砕いて篩にかけ純粋なものだけ使用します。窯で1250度の高温で焼くので、それに耐えうる土でなければなりません。また、松を燃やした灰釉を釉薬として使うことも虫明焼の特徴です」と、学生時代の思い出や虫明焼の特徴についてお話いただきました。
そして、作品をスクリーンに投影しながら、日本伝統工芸中国支部展で岡山県知事賞を受賞した作品や、岡山市長賞を受賞した作品の特徴や伝統的な技法についてお話いただきました。最後に「4月17日(水)から23日(火)まで『いよてつ髙島屋』で3回目となる父子展を開催させていただきます。多くの皆様に作品を観ていただくことが私たちの力になりますので、ぜひご来場いただきますようお願いします」と展覧会のご案内がありました。会場からは、黒井さんに大きな拍手が送られました。
この後、初参加の三好先氏(大41)及び一色武氏(大52)より自己紹介があり、3月例会は閉会しました。