平成27年度 松山大学 卒業式
平成27年度 大学院 学位記
卒業証書・学位記 授与式 平成28年3月18日
平成27年度 松山大学 学位記授与式
学長式辞
修了・卒業される皆さん、ご修了・ご卒業おめでとうございます。所定の課程を修めて、本日めでたくご修了・ご卒業の日を迎えられたことに対して、心からお慶び申し上げます。また、これまで成長を見守ってこられた保護者の皆様におかれましても、さぞかしお慶びのことと拝察し、心よりお祝いを申し上げます。本日、多数のご来賓ならびに保護者の皆様のご臨席を賜り、平成27年度松山大学大学院学位記、松山大学卒業証書・学位記授与式を盛大に挙行できますことは、本学の光栄とするところであり、教職員を代表して心から御礼申し上げます。
本日は、晴れて本学を巣立っていかれる皆さんに、松山大学の歴史と教育理念としての校訓「三実」の精神の二点について、改めてお話をさせていただきたいと思います。
松山大学は、大正12年[1923年]に創立された旧制松山高等商業学校がその始まりです。松山高等商業学校創設に当たっては、新田長次郎[雅号温山]、加藤恒(つね)忠(ただ)[雅号拓川]および加藤彰(あき)廉(かど)の協力があり、この三名の方々は皆さんご存知の通り本学創立の「三恩人」と呼ばれています。教育家であり、山口高等中学教諭、大阪高等商業学校・校長を歴任された後、北予中学[現県立松山北高等学校]の校長となった加藤彰(あき)廉(かど)は、当時の松山市長であった加藤恒(つね)忠(ただ)に、この松山の地へ高等商業学校の設立を提案しました。この提案に加藤恒(つね)忠(ただ)は理解を示し、友人である新田長次郎に高等商業学校を設立するための資金の支援を依頼されました。そして、松山市出身で、当時、日本初の工業用革ベルトの開発を遂げて製革(せいかく)業において成功し、世間からは「東洋の製革(せいかく)王」と呼ばれていた新田長次郎が高等商業学校設立の提案に賛同し、「学校の運営には関わらないこと」を条件に、設立資金として巨額の私財を投じ、わが国の私立高等商業学校としては三番目となる松山高等商業学校を創設されました。その後、本学は、松山経済専門学校、松山商科大学を経て、平成元年に松山大学と改称し、93年を経た現在では五学部6学科に5研究科を擁する総合大学にまで発展してきています。
松山大学は、教育理念として「真実」、「実用」および「忠実」の三つの「実」からなる校訓「三実」を掲げてきました。松山高等商業学校の初代校長となった加藤彰(あき)廉(かど)が創唱した校訓「三実」の精神は、第三代校長田中忠夫によって、真実とは「真理に対するまこと」、実用とは「用に対するまこと」、忠実とは「人に対するまこと」であると説明されています。
「三実」を現代風に解釈すると、「真実」および「実用」は学びの態度、「忠実」は人としてのあり方を示しています。「真実」とは、既存の「知」に満足することなく、真理を求めるために自ら学び、究め続けようとする態度です。「実用」とは、「知」を単に知識として学ぶだけでなく、自らの生活や仕事の中に活かすべく、常に現実的な問題を念頭に置きながら学ぶ態度です。「忠実」とは、人間関係や社会において、他者と誠実に向き合い、倫理的な態度はもとより、積極的に人と交わり、自らを謙虚に、そして互いの意見を尊重し共有しようとする態度です。校訓「三実」は、文字通り本学の大学院生・学生が拠り所とすべき教訓ではありますが、皆さんが今後、人生を生きていく上での確かな指針でもあります。本日修了・卒業される皆さんも、長い伝統を有する本学の出身者としての誇りを持ち、校訓「三実」の精神を活かして実社会において大いに活躍していただきたいと願っています。
ほとんどの皆さんにとって、小学校から始まった学校生活は今日で終わりとなります。今日までの高校入試、大学入試センター試験、大学入試、そして期末試験といった試験はすべて、皆さん自身のためでした。試験の点数の良し悪しが自分自身以外に影響することはありませんでしたが、今後は、皆さんの学びの成果は職場や取引先・顧客に影響してきます。皆さん自身のためにも、そして、人のため、社会のためにも、学びは続けてください。
学校は、時間も空間も定められていました。決められた時間に、決められたクラスで、決められた学習を行っていました。学習の状況については、学校が管理していました。試験の範囲も決まっており、皆さんは問われたことに対して答えるだけでした。今後は、そのような勉強についての明確な時間も組織も管理もなくなります。仕事を行いつつ、仕事から学ぶこともあれば、仕事以外の時間を捻出して勉強することも必要となるでしょう。どこからどこまでといった勉強の範囲もありません。そもそも何が問題であるかさえ、はっきりしないこともあります。何を調べれば、また誰に聞けばよいのかも決まっていません。これからの皆さんは、自ら、いつ、どのようにして、何を教科書・参考書として調べ学び、誰に質問し、どの程度理解したかを決めて管理することが求められます。もちろん、すべてうまくいくとは限りませんし、むしろ、うまくいかないことのほうが多いかもしれません。しかし、それに挫けることなく、反省と改善を繰り返す労を厭わないで、立ち向かってください。皆さんの今後の成長を期待しています。
さて、本学は、これまで約7万1千名の修了生・卒業生を輩出してきました。修了生・卒業生は、経済界を中心に、全国で活躍し、高い評価を得てきました。これら修了生・卒業生による同窓会組織である「温山会」は、国内では北は北海道から南は沖縄まで41の支部、国外ではニューヨーク支部の併せて42の支部を中心に組織され、それぞれの地域で、あるいは地域を越えて、活発な活動を行っています。皆さんもまた、本日から本学修了生・卒業生であり、「温山会」の会員です。職場や地域で本学の先輩に出会うことがあれば、先輩は皆さんに温かく接し、皆さんを応援してくださるでしょう。各地域や職場で開催されている温山会支部総会にもぜひ出席してください。また、皆さんも、今後は「温山会」の一員として、後輩たちを温かく見守ってください。
皆さんが夢や希望を持って、地域や社会の発展のために、さらには世界の発展のために、益々ご健勝でご活躍いただきますよう祈念して、式辞といたします。
平成28年3月18日
松山大学 学 長 村上宏之
温山会を代表いたしまして一言お祝いのご挨拶をさせていただきます。本日はご卒業、誠におめでとうございます。心からお祝い申し上げます。皆さんは、本日、思い出多い大学生活を終え、いよいよ実社会への第一歩を踏み出されるわけですが、ご高承のとおり、現下の我が国は、時代の大きな曲り角、歴史的な転換期にございます。
戦後70年を迎えた我が国は、IT進化の中グローバル化がますます進み発展を支えてきた様々な社会経済システムが、今や制度疲労を起し、社会のあらゆる分野で変化・改革が求められており、特に少子高齢化の進む中、地方創生なくして我が国に明るい展望が開けないという状況下にもあります。
このような時に本学をご卒業される皆さんには、進む分野はそれぞれ違いましても、これからの日本を背負おう開拓者としての大きな期待がかかっているのであります。
さて、現在NHKが放送している平成27年度後期連続テレビ小説「あさが来た」は、幕末から明治・大正時代の激動の時代を 明るく元気に駆け抜けたおてんば娘(白岡あさ)と陽気にヒロインを支え続けたボンボン夫(白岡新次郎)の「 おもろい夫婦」が日本の朝を明るく照らす物語です。
「出る杭は打たれる」と申しますが、「出る女性の杭」は、その当時さらにとことん打ちのめされやすかったと思います。丁稚を相撲で投げ飛ばし、女だてらに炭鉱事業や銀行経営に乗り出すなど目立ちに目立った実業家・白岡あさは、当時どれだけ多く打たれたことでしょうか。しかし、あさの周りには、優しく支えてくれた夫や、決して屈しないその姿に思わず手を貸した多くの人の姿がありました。
このドラマは主人公「白岡あさ」が、決して戦うのではなく柔らかな力で人々を巻き込みながら道を開いていった楽しい女性を描いています。私たちは、主人公「あさ」を通して、激動の日本社会の中で、夢を見るだけでなく、叶えようともがきながら生きようとする姿に共感と感動を覚える次第です。
皆さんの人生には、多くの可能性が秘められています。どうか、皆さん方一人ひとりが、人生への志や理想を高く掲げ、「いまに満足せず、さらに次の最善を目指して」、各々の分野で存分に力を発揮して頂きたいと強く念願いたします。
私事になりますが、私が本学を卒業いたしましたのが、昭和45年(1970年)であります。爾来45年、建設業界に身を置いて参りましたが、多感な青春時代に強く心に留まった恩師や先人の言葉の数々は、今も私を律する規範となっております。
「一歩前進」、「人間力を磨け」、「話し上手より聞き上手になれ」、「日々継続」「営業マンは心を売れ」等々。私は、自らを律し、励ましてくれる言葉の数々を「心の支え」として今日まで歩んで参りました。是非、皆さんも自分なりの「心の支えとなる言葉」をもち、自らを戒め、励まし、掛け替えのない大切な人生の質を高めて頂きたいと思います。
さて、皆さんは、只今から松山大学温山会の会員となられました。松山大学は創立以来 約7万2000人の卒業生を輩出し、その大多数が、国内外の幅広い分野で活躍しております。
今日ここに、新しく1,196名の方々が入会されまして、温山会は、さらに大きな同窓会組織となりました。
温山会は、「会員相互の親睦と母校の発展に寄与する」ことを目的とし、現在、地元松山はもとより、北は北海道から南は沖縄にいたるまで全国各地に41支部があり、昨年ニューヨーク支部が加わり42支部となり、大学とも密接につながって、活発に活動を続けております。
皆さん方も、これからそれぞれの支部に加わって頂き、同窓生として先輩達と連帯の輪を強めて頂くと共に、若い力で温山会に新風を吹き込んで頂きたいと存じます。終りに、重ねて1,196名の皆さんのご卒業をお祝い申し上げますとともに、私共温山会への加入を心から歓迎し、ご挨拶といたします。
平成28年3月18日 温山会 会長 興 梠 安
学業及び課外活動成績優秀者表彰
学長賞の表彰が行われ、学業成績優秀者19名を代表して佐伯亜里沙さん(経済学部)、課外活動成績優秀者8名を代表して大呂健二さん(バドミントン部(男子))に賞状と記念品が贈られた。
【経済学部】佐伯亜里沙・田中友里香・二神奈央・松原 睦・吉田雅俊
【経営学部】菊田博明・久保汐里・住吉郁絵・宮本麻由・矢野 遥
【人文学部・英語英米文学科】田鍋麻乙・野村小百合【人文学部:社会学科】河村宙夢・矢田碧子
【法学部】岸 誠人・戦明日花・山下真以子
【薬学部】清水理誠・中村知弘 以上19名
<課外活動成績優秀者>
【弓道部】金谷穂乃香【剣道部(女子)】濱田華菜子【剣道部(男子)】竹政健太郎【女子駅伝部】幾野由里亜
【卓球部(男子)】中平直樹【テニス部(男子)】平塚耕次郎【軟式野球部】菊池翔太
【バドミントン(男子)】大呂健二 以上8名
卒業生答辞
卒業生を代表して法学部法学科の戦明日花さんが「四年間の大学生活は、私たちに大きな成長と、充実した時間を与えてくれました。素晴らしい出会いと、沢山のことを学ぶ機会を与えてくれた松山大学を誇りに思います。私たちにとって「真実・実用・忠実」の校訓「三実」は、さらに成長するための道しるべになるはずです。今後も、つねに言動を省み、努力を怠らず、何事にも果敢に挑戦していきたいと思います」と決意を述べた。
記念品贈呈卒業生を代表して、菊田博明さんより記念品
・デジタルサイネージ 2台
・ベンチ 3台
の目録の贈呈があった。
来賓の紹介後、祝電披露、校歌斉唱があり、めでたく1,196名が卒業した。
式終了後、晴れ着姿の卒業生達は、待ち受けていた後輩たちから花束や記念品を受け取り、胴上げなどの祝福を受けていた。また、松大みきゃんも祝福に駆け付け、一緒に記念撮影する微笑ましい姿も見受けられた。